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【所員’s OFF TIME㉘】祖父の形見

 1950年ごろの話ですが、祖父は、最初の北海道開拓使である屯田兵が札幌の琴似に入植した際に祀られた琴似神社の隣で歯医者をしていました。

 我が家には、そんな祖父の残した形見が2つあります。

 一つめは、真珠の指輪です。真珠は、祖父と祖母が琵琶湖に旅行に行った際に買った、お土産のアコヤ貝の中から出てきたものだそうです。祖父は、祖母のためにその真珠で指輪を作ったらしいのですが、指輪の部分は家にあった、金歯を作るための金を使ったといわれています。

 

 二つめは、熊の毛皮です。戦後のお金がなかった時代に、患者さんが治療費の代わりにと言って、仕留めた熊を天秤棒で担いで持ってきたそうです。熊の毛皮は不思議と虫がつかず、夏は涼しいからと言って、祖母がよく、夏の暑い夜に熊の毛皮の上で寝ていたのを覚えています。

 

残念ながら、祖父は早くに亡くなってしまったので、祖父との思い出はありませんが、いかにも歯医者さんらしい、そして優しい人柄だったことが偲ばれる、そんな我が家の宝物なのでした。

(所員W.A.)